せめて失望させてほしかった

小4だったかな? 
学校行事で山の学校みたいなところに行った。

 

班ごとに分かれて山道を決まったルートで歩くみたいな意義も何も分からないことをさせられた時に俺の班が迷子になった。

 

他の子を励ましたりしながらしばらく歩いてると小川を見つけた。


天才少年の俺は当然班の仲間に「闇雲に歩くんじゃなくて小川に沿って下流に向かえば水を利用してる民家もあるかもしれないし、集落に出る可能性も高い」と説明し、途中で進路の都合上小川の中も歩いたりしながら少ししてワンちゃんを飼ってる民家を見つけてオッサンに軽トラの荷台に載せられて助けてもらった……。

 

という極めて論理的に民家まで仲間を励ましながら辿り着いた、という話を当然小学校教師にも話したわけだけど、親に伝わっていた内容は「健人くんが川に落ちた」の一言。

 

教師に失望はしなかった。
失望できるほどの望みなんて教師には抱いてなかったから。